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チケットを握りしめて

元アンチが3rdテニミュドハマりして今に至ります

「さよなら」と言われた日 青学vs氷帝 東京公演

 7月14日に初日を迎え、7月24日に千秋楽を迎えた青学vs氷帝 東京公演。まず、遅くなりましたが無事に開演したことが、心から嬉しかった。本当におめでとうございます。

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 開演前のアナウンス、リョーマの「ひさしぶり」という言葉。たくさんの思いが寄せられたであろう、この東京公演初日の1幕が終わった時。会場が声にならない声のような、悲鳴のような歓声のような、色々な感情の混じった声で包まれたこと。そして千秋楽で披露された新曲。全てが深く胸に刻み込まれ、TDCの空気がまだ体のどこかに残っているみたいだ。

 今回のブログは細かいレポとかじゃなくて、数日たってああだったな~こうだったな~って思い返しながら書いている。携帯に入った沢山の公演のメモは、次の観劇の時までに読み返しておこうと思う。これ自体は東京公演のはなしだけど、もうひとつだけ書きたいことがあるので記事を分ける。

 

 開演前のアナウンスで、リョーマが「ひさしぶり」といった時。思わず、涙がぼろっと出た。その言葉は、初日を迎えるまでずっとずっと苦しかったドリライでの最後のことば「またね」という魔法が実現したかのように思えた。センチメンタルなまま迎えたその日に、その声を聞いて。安心した自分がいた。もうハンカチで熱くなった目頭を押さえるので、いっぱいいっぱいだった。

 でも、始まる前までに涙を止めなければいけないってすごく思っていて。それは、一瞬でも彼らの輝きを逃すのは、とても勿体ないって今まで何度も思ってきたからだ。しかも今回は卒業という大きな重みがあり、始まる前からどくんどくんと心臓がうるさかったのもある。

 

 正直「卒業」という単語に、とらわれすぎるのはどうなのだろうかと自分でも思う時があった。よく言うよって言われそうだけど、物語を作るキャラクターは決して卒業をしない。これからも試合は続くし、原作通り青学はこれから沢山の敵と出会い、上を目指して駆け上がっていくだろう。全国大会に向け、彼らは闘志を燃やし進み続けるのだ。

 けれど、わたしがはじめて現実で出会った青学は、目の前の世界にいる彼ら8代目なのだ。8代目といいつつも、わたしにとっては彼らこそが初代青学なのだ。舞台を見に行くといいつつも、座席に座ったときにわたしは劇場ではなくて、テニスコートの応援席にいるような感覚になる。目の前の世界は作られた舞台のはずが、動き出すとまるで現実のように思える。長い年月をかけて大切にしてきた大好きな作品が、現実になる。そんな魔法のような時間を何度も過ごし、わたしは目の前に存在する青学がとても大好きになっていた。勿論、今まで対戦してきた学校に対しても同じ気持ちだ。キャラクターの魅力をあんなにも引き出す役者さんには、感謝しきれないのだ。

 だから、目の前にいる彼らがいなくなるっていうのは、正直センチメンタルにもなるししんどいな~って思う。素直にそんな気持ちが強かった。とらわれすぎても、と思いつつもやはりわたしは彼らがいなくなるという事実は重たいと思っていた。

 

 けれど、今回青学が登場する曲で「無敵を目指そうぜ」という歌詞があって。あーそっか、彼らは無敵じゃないんだった。そう思った。

 不動峰から氷帝まで見てきた「目の前の青学」は、すごく強いチームに見えた。強敵を倒し苦難を乗り越え、勝利を掴む。そんな彼らは、それこそまるで無敵のように思えた。しかし、原作での青学はこの氷帝戦ではまだまだ走り出したばかりの状態だ。読んでいて、青学やっぱ強いよなあ~とか思いつつも、すごく強いチーム(それこそ無敵)とは思わなかった。これから上を目指すために、ガンガン走っていく存在なのだ。

 その原作と目の前の強さの差が、今回で彼らがいなくなる理由のひとつにも思えた。勿論、色々な事情があるかとは思うけれど、そういう複雑なファン側から見えない事情より、そういうおたくっぽい理由のほうがわたしは、あーそっか、と理解できた。理解できているフリをする理由になれる。無敵じゃないし、無敵を目指す状態でなくちゃいけないんだった。そんな風に、観劇後に思った。

 

 今回出てくる氷帝

 はじめて跡部を見たときに、第一印象はすこしだけ幼さの残るきれいな少年だった。しかし喋り方とか、目の表情(これなんていえばいいのか分からないんだけど、三浦くんの跡部の目付きすごい。説明できないので見て)が本当にいい。あと指先までの動きがきれい。

 しかしそんな幼いような印象は、どんどん消えていく。氷帝の校歌シーン、これで終わったか?と思ったら突然のダンス。はじめて見たとき、すごくきれいで他の人とは違うっていう跡部の存在感をあのダンスで表現するのってすごく面白いなと思った。いや実際はこんな冷静じゃなかったけど。初日はぽかんとした。まばたきするのを忘れるくらいに。曲中で跡部以外が膝をつく振付もよかった。

 この曲になると、どうしても跡部しか見られなくなる。本当に目を奪われてしまう存在感。でも三浦くんの演じる跡部のどこが好き?と言われたら、コールでジャージを投げるシーン。あのとき左手の甲を背中に当てているのがとても好きなんですよね。変なポイントですけど、動作が一々丁寧で綺麗だからうつくしいなと思う。あとコールを実際に体感してわかった。あれは拍手する。手が勝手に拍手していたし、会場が拍手に包まれるのがすごくすごく感動した。氷帝コールを生で見る日が来るとは。

 

 なんとなくツイッターで、今回の役者さんがバレエ経験者というのはみていたけれど、本当にきれいな動きをするのだなあと驚いた。でもこれって「キャラクターを表現するために、役者の特技を取り入れた」のか、「そのキャラクターの役者の特技をそのまま使った」かでは大きく意味が違うのだろうな~とか思った。

 個人的に、あの動きを取り入れることで、他のレギュラーとは違う存在なんだって分かるようで好きだなあと。

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 キャラクターの特技ではないものを、キャラクターの個性や表現のために使うってかなり難しいと思う。ただキャラクターの持つカリスマ性や圧倒的な存在感のために、その特技を生かして表現しているのであればすごくいいなって思う。三浦くんの跡部は、まっすぐでうつくしいというイメージが強くあるので、今後の公演でどんどん変化するのが楽しみです。

 やはり跡部という人間は、すごくすごく大切なのでキャラクターの表現方法として取り入れていると思い込むことにする。

 

 あと、そういうのを抜きにしても初日終わったあと「ありがとうございました!」ってキャストが膝ついて幕おりるまで手を振るところ。跡部だけ、膝をつかずに立って軽く手を振るだけで役に徹していた。もうあれだけで、すごくすごく嬉しくなった。

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 それにしても、この氷帝戦がはじまる前の宍戸vs滝すごくいい。宍戸の必死な表情と、最初こそ余裕な笑みを浮かべていたのに段々と笑みを消す滝。歌声がふたりとも綺麗で聞き取り易くて、宍戸は悔しさや必死さが出ていて本当に見ていて熱い。もっと試合みたいってくらい熱い。

 滝の表情の変化に関しては、ベンチで輝くのでそこも目がはなせない。宍戸の試合前から試合後までの滝の表情、凄くいい。ちいさくガッツポーズをする滝を見て泣いた。あと爪がつやつやしている。美人だけど女性的ではないのがすごく嬉しかった。

 

 各試合に言いたいことあるし、ここ見た!?って話したいポイントってたくさんあって。でも一番ぐっと胸に来るのは、3幕のリョーマの台詞。「俺に勝っといて負けんな」だった。原作で呼んだ時と今回の古田の演じるリョーマの台詞だと想像していたのと違っていて。でも、すごくすごく、胸にくるほど良くて。あの感情が溢れだしそうなのに、抑えるような声が本当に胸を抉ってきて鳥肌が立った。あの一言のために、仕事終わって走ってTDCに向かっていた。

 このシーンって、読者が選ぶ名シーンで1位になっているシーンじゃないですか。*1 もうめちゃくちゃ大事なシーンだし、胸が熱くなるシーンで、その大切なシーンを予想の何倍も熱く演じられて、目の前で見て。しかもそのリョーマに対して「俺は負けない」と返す手塚国光すっごくかっこいい。あまりにかっこよさに、なんかもう頭が痛い。

 

 手塚国光という男はやはり強いし、そして跡部もすごく強くてうつくしい人で。なんだか跡部が負けるのは嫌で、あの必死にボールを追うために飛び込む跡部と、レギュラーたちが「跡部!」ってなるとこどうしようもないくらい、胸が痛い。冷静な瞳でじっと相手を見るのではなく、ギラギラと瞳を輝かせる跡部がかっこよかった。この手塚vs跡部は各校のベンチの温度差が激しい。青学は手塚に駆け寄るのに、氷帝はじっと跡部をみている。それぞれの学校の色や空気は、こうした所にも出るのだと改めて感じた。

 この試合では、手塚vs跡部といいつつも青学を背負った手塚vs跡部で。すごく、いい試合だった。あんなにもいい試合だからこそ、どちらが勝つのか本気で分からなくなる。テニミュの持つ「どちらが勝つか分からない」という感じは、テニミュでしか味わえない貴重な経験だと思う。あんなにも必死で、勝ちたくてたまらないって強い意志がぶつかりあうと、どっちが勝ってもおかしくない。部長たちの必死な背中を、ひとりひとり必死に見ているのも大好きだ。

 試合中にぶつかりあう熱気に負けないぐらいに、それぞれの熱い思いがぶつかっていて。あの試合を見るだけで、全てのエネルギーが飛ぶように感じる。見ているだけでそうなるのだから、目の前で試合をする彼らの疲労は想像を絶するものだろう。もう本当に、すごい試合なのだ。ただただ、ありがとうとお疲れ様って気持ちで手が痛いくらいに拍手をした。

 

 手塚とリョーマの会話。「はい」と返事をするまっすぐな姿に、息が出来なくなりそう。

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 そしてリョーマvs日吉。

 実はこの氷帝公演を3rdで見るときに、あの曲がきたらどうしようって思いはあった。わたしがテニミュに対して苦手意識を持ったひとつの理由が、日吉というキャラクターがすきだからこそあの扱いや空耳がどうしても苦手だったからだ。どのキャラクターにもいえるけれど、ネタにされるのはあまり得意ではない。だから、正直な話新曲でほっとした。ほっとしたというより、帰り道でひどく安心している自分に気付いて、よかったって思ったのかもしれない。

 初日から千秋楽まで、日吉の成長がすごかった。歌い方や表情、日に日によくなっていく内海くんの日吉ほんとうによかった。あの演武テニスってどう稽古するのだろうか。

 そしてリョーマのターンになる。やっぱり古田の演じるリョーマがだいすきで、彼の声や表情の変化って本当にいいんですよね。強くてかっこよくて、そしてたくさんの人の憧れや思いを背負う人なんだなってリョーマを見ながら思った。

 リョーマを取り囲みながら山吹が現れたときに、南が「お前は俺を熱くする」とか千石が「お前は人を惹きつける」ってうたうの、あれリョーマのうしろに亜久津をみているのかな。

 山吹がこの戦いでリョーマを見ること、そして新曲の校歌があること。亜久津が不在であるにも関わらず、その存在の大きさを改めて実感すること。すべてが繋がっていて、正直亜久津が「いない」ことは「いる」ことよりも存在感が増すのがずるいと思った。

 

 リョーマのソロ、あまりにかっこよすぎた。

 いつだったか「はじめてコートに立ったとき 緊張したけど 嬉しかったぜ」*2の「緊張したけど」のあとに、泣きそうな顔でわらったときがあって。それまでは普通に歌っていたのに、その日やけに感情がこもって見えて。今も思い出して涙がにじむくらいに、あの笑顔が眩しかった。呟きをさかのぼったらこの日に大騒ぎしているので、この日周辺からなのかなあ。

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 もしかしたら、もっと前からかもしれない。でも、本当にあの部分がだいすきでだいすきで。あのいろんな感情がぎゅうぎゅうにつまった笑みは、普段クールぶっている少年の本質のようで胸が熱くなった。

 

 この曲は、いままでのリョーマの人生と共に「リョーマを演じる古田一紀」だからこそ歌えるんだろうなってすごく思えていて。古田のリョーマだからこそ、あの曲があんなにも胸に響くくらいかっこよくて、最高なんだろうなって思う。なんて曲名なんだろね、やっぱベストテンションなのかな。

 「今こうして繰り返される毎日 1日たりとも 気を抜いた事なんてない」とか「たえずベストテンション」とか、毎公演を丁寧に全力で演じる古田ともリンクしているようで、キャラクターの持つ思いと(私からみて)演じる者が持つ思いが一致するってすごいなって胸が苦しい。だからこそ彼はリョーマになれたのかもしれない。

 本当に最高だし、やっぱり目の前のリョーマがわたしにとって初めてであったリョーマでよかったって何度も思った。

 

 そして迎えた千秋楽の日。

 忘れもしない、幕があがったさきにいた彼らのことを。

 誰もいない場所をたったひとつのライトが照らし、それぞれがその光の当たった場所を少しだけ眩しそうにみていたことを。

 白と青を纏った彼らが、顔や目を真っ赤にして泣きながら歌ったことを。

 そして「さよなら」という別れの言葉を、震える歌声に乗せたことを。

 

 あれ、なんだったのだろう。夢だったのだろうか。

 あまりに衝撃が大きすぎて、今までは感動して泣いていたのに、はじめてただただ悲しくて泣いた。悔しさで泣いたことはあった。けれど、悲しいって思うのはTDCではじめてだった。

 それぞれが旅立つために歌ったのは、誰だったのだろうか。

 それはきっとキャラクターではなくて、きっと彼らと共に歩んできた役者のみなさんで。ジャージを着ていない彼らがまっすぐに客席をみていたとき、この舞台という場所でジャージじゃない(テニスの王子様ではない、キャラクターではない)役者そのものの姿を見ることははじめてだった。ああ、そっか。これが彼らの未来だ。そう思って胸が苦しかった。

 なかでも印象に残っているのは、古田が田中にぎゅって抱きしめられているところで。あんな真っ赤な顔で、ぼろぼろに泣いている様子を見せられるのだから、客席なんかもう涙で包まれてどうしようもなかった。あそこに救いはなかった。

 それと同時に、この「さよなら」は初日に言ってくれた「ひさしぶり」を打ち消す言葉のように思えた。もう二度とひさしぶりなんて言わないのだと、現実を突然叩きつけられているようだった。

 「またね」という魔法を実現させたのに、今度は「さよなら」という重い呪いがかかたったように思えた。

 それはいつか来る日を確実に近づけさせる、つらい言葉だった。

 

 さいごに流れるシャカリキ ファイト ブンブン。

 最初こそ笑っていたのに、大好きになった曲。しかし、千秋楽のときはひたすら泣いてわけもわからず彼らをみていて。

 もうこれいろんな人が言っていると思うけど、凱旋かどこかでニューウェーブがきたらどうしようって。彼らが起こした新たな波は、たくさんの人を彼らの色に染め上げていた。それが再びきけたら、きく日がきてしまったら、「新たな時の流れが 押し寄せてくる」なんて言われたら。想像するだけで眩暈がしそうだ。彼らが新たな時の流れであったのに、それが別の誰かを指すようになったら泣いてしまうだろうなあ。

 

 でも、卒業に対してセンチメンタル爆発させている反面で、彼らに次のお仕事が決まり役者として生きていくことがわかっている今。いつまでも王子様という存在で居続けてほしい、というのは身勝手な思いだと重く受け止めている。

 彼らには彼らの未来があって、そのために突っ走ってほしい。でも公演期間中、そして千秋楽までの短い間。あとちょっとの間だけ、彼らが王子様である魔法の時間を1つ1つ大切に、心に焼き付けたいと思う。

 はじめて出会った彼らは、これからもわたしの中では初代なのだ。色々な苦労や努力があっただろうし、本人たちには不本意なこともたくさんあったと思う。勝手に理想を描いては勝手にダメージを負い、傷をつくるというのも経験しているけれど、やっぱり舞台の上のキャラクターを演じる彼らには感謝の一言に尽きる。それしか言えないのだ。

 

 それにしても、今回の氷帝公演があまりにたのしくて、眩しくて、熱くてかっこよくてたまらない! これから観劇する方にとっての初日を迎える方は、きっとわくわくとした期待や色々な思いを抱えて彼らを待っている。そんな観客の想像を何倍も超える、最高の公演は本当にすてきで、関わるすべての方が怪我や病気ないことを1人のファンとして願っている。

 

 次は大阪公演!

 わたしも休み、なんとか取れました。熱い夏を、心から楽しみにしている。

*1:20.5巻 226ページ

*2:歌詞間違ってたらあとで訂正します