応援している方のはなし

お名前はあえて伏せさせていただきます。

 

推しの2度目の卒業発表を受けた日、あまりの衝撃で眠れなかった。次の日も動く気になれなかったり、月曜日仕事の前になぜかぽろぽろ涙が出てきた。なぜか具合も悪くなった。ぼんやりと、ようやく前向きになりはじめたので、今の気持ちを文字にします。

 

わたしは、彼の演技がとても好きだ。大好きだ。

舞台の上で一等輝いて見える、まぶしくて、きらきらしていて、瞳のなかにすべての照明の光が入り込んだんじゃないかと思うくらいきらりとするのが、とってもうつくしい人だと思っている。言葉にすると恥ずかしいけれど、わたしにはそう見えていた。

小柄な方だったけれど、舞台のうえではとても大きく見えた。つんとすました顔も、満面の笑みも、時には涙を我慢して耳まで真っ赤にしながら目を伏せるときも、いつだってかっこよかった。でもわたしは挨拶の時にみせる、自然な笑みがすてきだなあとこっそり思っていた。

わたしは演技に関してド素人だから、ここがいいとか、ここがすてきとか、詳しく言えないけれど、ただただ好きだった。動きも、言葉の間も、表情も、指先まで完成された何かに思えて、目の前で役自身が生きているってこんなにも素晴らしいことなんだと彼に教わったような気持ちだった。こんなにも、舞台をみることは楽しくて、しあわせで、心からわくわくすることなんだって思ったら、いつだって彼に感謝の気持ちがあった。

無事に公演初日を迎えてありがとうとか、この役を演じてくれてありがとうとか、そういう気持ちでいっぱいいっぱいで、人を、誰かを応援することがこんなにも楽しいんだ!ってことを知れて嬉しかった。楽しかった!

あとここがすきってあるんですけれどね、彼は公演が終わったあと拍手のなか会場全体に手を振るんです。最後まで、隅から隅まで。どこまでも見えているみたいに手を振る姿が大好きなんです。

 

わたしは地方の山奥に住んでいるのですが、劇場まで新幹線やバス、夜行バスなどいろいろな手段で彼を観に行った。移動時間どころか、前日から特別な気分になれることが好きだった。わくわくした。移動の時間も含めて、わたしにとって彼が出演する作品を観ることは特別なんだと思うと、その交通手段を手配する時間も楽しいと思っていた。こんなにもわくわくとした気持ちでいられることって、あるんだなあって。幸せだなあって、今書きながら思い出しています。

 

わたしからみた彼自身について書くと、素直で、ストイックで、役に対して真摯で、かっこよくて、でも脆さというか、危うさを持ち合わせた人なんだなと思っていた。過去にインタビューで臆病と言っていたけれど、そうは見えなかったというより「見せなかった」なあ。改めて、人前に立つってすごいことですよね。

挨拶やイベント、動画配信で一番目立って喋る方だなと思っていたし、でもそれは決して嫌なものではなくて、色んな意味で素直な方なんだなって思っていた。でも同時に危うさが目立つときもあって、正直ハラハラしたり、なんでこんな発言をするのだろうと焦るような気持ちになることもあった。しかし好きな発言だって多かったし、彼の言葉は刺を隠さず鋭さを保ったまま放たれるからこそ胸に来るものもあった。ただ茶の間勘弁発言はげらげら笑ってしまいましたけれどね。

好きなインタビューもある、いっぱいある!彼のインタビューはどれも読んでいて楽しいものばかりでした。自然と雑誌が集まっちゃっているので、毎回驚きながら新鮮な気持ちでページをめくっていました。このブログを書く前にいろいろ読み返そうとしたけれど、涙が出てダメだったよ。

でも今なぜかふと思い出すのが、「熱しかねえ」といったあとに「今は『熱だけじゃダメなんだよ』とも思うんですけど…。」とインタビューで書かれていたことです。あのとき受けた衝撃は、今でも覚えています。懐かしいですね。なんか、そういうところが、なんだかずるいなあ。いま読み返したら、お写真の顔が今と違っていて当たり前ですが月日の流れを感じました。ほかにもいろいろ好きなインタビューやお写真のはなしもあるのですが、ここでは心に留めておきます。

 

実は、この卒業発表の一週間ほど前にフォロワーさんに「声優になりそうですよね」と冗談交じりでお話ししていたことがありました。でもその時は俳優業をしながら、といったニュアンスで話したのです。漫画がお好きだったり、アニメがお好きだったり、声優さんがお好きだったり。いろんな要素があるから、もしかしたらって。

その方と発表後にお会いしたときに「本当になっちゃいましたね」と驚きと未だに残る不安と、ごちゃまぜな感情のままお話ししました。泣くわたしを見て大笑いしてくれたのが救いだった。たぶん今のわたしは他人から見ると滑稽なのかもしれない。他人の人生の選択でこんなにも揺さぶられている様は、どう考えてもおかしなものなのかもしれない。でもそういう話を含めて頷いてくれて、さいごは笑って聞いてくれたのがわたしにとって救いでした。この場でもお礼申し上げます。ありがとうございます。

 

最初にこの発表を受けたとき、純粋にお祝いの気持ちになれませんでした。

応援しているのに、なぜだろうって思ったけれど、新たな道へ進む方にこんな言葉を向けるのは大変失礼ですが不安になったのです。言葉にしようのない不安でいっぱいになって、ごちゃごちゃとした気持ちになって、ようやく気持ちが少しだけ前向きになるのに数日、もはや一週間近く必要でした。人生は一度きりですから、突っ走ってほしい反面まだ舞台であのきらめきをみたいというわがままはまだ心に残っています。それほど彼は大きな存在でした。舞台の上で輝く姿が、大好きだから。

 

声優という職に詳しくないため、これからどうなっていくのか全く予想できません。正直俳優と声優は近いようで遠いような、そんな気がします。舞台で好きだったからといって、声優として好きになれるのかといわれたら、新しいお仕事を見るまでわからないっていうのが正直な話だと思います。あんなに眩い存在を見ていたからこそ、余計に。

ですが、彼が突っ走るときめた道ですからそれを見届けようと思います。ようやくこう思えるまで気持ちが前向きになってきました。ご本人にとって、重たい決断だったのではないかなと勝手に思います。これからどうなるのか、どうなっていくのか、ファンが不安がっても仕方のないことなんだなって思えたら気が楽になりました。

まだよく理解していないのも本音ですが、これからを見届けようと思えるのも本音です。

 

ようやく文字にしたら、こころが落ち着いてきました。

きっと新しいお仕事の発表や、事務所の発表が来るまでうじうじする気持ちは続くのだと思います。でも今は楽しみだという気持ちも芽生え始めました。だって応援している方が、好きな道をまた歩みだしているのだから。その背中をまた追えるのかなと思ったら、また楽しいって感情でいっぱいの日々を思い出して、またあんなふうに幸せな気持ちになれたらいいなと思うからです。

 

だから新しい発表を待とうと思います。

彼がこれから歩む道が、光り輝くものでありますように。

心から願っています。

 

 

 

追記

 

色々なことが私生活やこういった活動のなかであったため、ブログは今回でさいごにします。そのために今回の記事以外のものを非公開にしました。削除しないのは、過去のブログをたまに自分が読み返すようです。読み返すのも恥ずかしいものばかりでしたが、大好きだって気持ちばかりを書きなぐっていたため、なんだか読んでいて泣けてきました。過去の自分ありがとう、未来のわたしが救われています。3日で飽きているような人間が、2015年から書き続けられたのは一重に今回書いた方の影響が強かったです。見続けたんだなあと思いました。

今まで読んでくださった方、このブログがきっかけでつながってくださった方、ありがとうございました。

文章を書くのは好きなので、またどこかでブログを続けられたらと思います。

 

今までお世話になりました。

またどこかで!