ミュージカルテニスの王子様 青学vs聖ルドルフ・山吹公演を見て

 おひさしぶりです、広瀬です。

 この度、7月9日におこなわれたミュージカル テニスの王子様 青学vs聖ルドルフ・山吹公演を観劇したため、その日記を書きます。

 観劇に関するレポートというわけではなく、自分の心境の変化だったり、過去の思い出を振り返りながらの日記となります。

 お時間があるときによんでいただければ幸いです。

※全体の感想は「たのしかった」の一言に尽きるのですが、細かくワガママな感想を言っているので、たのしいだけの感想ではなくなってしまいました。でも本当にたのしくてたのしくて、久々に「テニミュってたのしい」という気持ちを味わったので、そのまま文章にします。回りくどいですが、たのしい感情がメインです。

 

 まずはじめに。

 この日記を読んでくださった方に自己紹介すると、わたしは青学8代目のオタクで、とくに越前リョーマ役・古田一紀くんのファンです。でした、としないのは未だに自分の中で青学8代目はきらきらとまばゆくて、ずっと好きでい続けている存在だからです。同級生目線で恋い焦がれたリョーマくんをはじめ、かっこいい先輩たち、元気いっぱいですてきなトリオ。みんなだいすきで、まさに彼らはわたしにとっての青春だったのです。彼らの記憶を思い出したり、同じ公演を見ていた友人と話すたびに、ああすきだなと何度だってこの数年間思い続けていました。

(前の記事で名前を伏せているのに、今回はふるたくんの名前を伏せないのは、後々に書きたいことのためなので、お名前を出します。)

 

 前回の日記を公開したのが、2017年8月5日。同時に過去の記事をすべて非公開にしたので、4年と11か月ぶりに日記を書こうとおもったのは、ひとえに今回観劇したテニミュをたのしいと思えたからです。

 本当ですと、あたらしく日記をはじめるかなとおもったのですが、どうしても青8の思い出話とか3rdの話をまぜこぜにすると、この広瀬という名前で日記を綴ったほうが良いと判断し今回日記を再開したかたちになります。

 

 前回の記事でおわり!と区切りをつけたのに、またこの日記を再開したいのにはブログタイトルも関係があります。今回、久々にチケットを握って、胸の奥で消えていた炎がほのかに灯ったように思えたからです。本当に、本当にこの感覚は久々で、せっかく前回で区切りをつけたのに出戻ってきました。お恥ずかしい気持ちもありますが、まちがいなくこの日記はわたしの青春を綴ったものなので、またこの日記を再び開けたことが少しだけ嬉しく思います。

 

 過去の記事は非公開ですが削除をしていなかったので、時折、ふと読み返したりしていました。やはりあの頃のわたしにとって8代目は特別な存在で、青春そのもので、熱量がかなりあったなと振り返る事ができました。

 わたしは自分の記事のなかで「未来のわたしの糧になれば」と書いていたのですが、過去のわたしの思った通りで、人生にほんのちょっと躓くたびに過去の情熱あふれる(逆に言えば若さで突っ走った青すぎる言葉ではありましたが)自分の感情に、ほんのすこし救われたりしていました。

 未来でまた今の日記を読み返す時、同じ日記のほうがいいなっても思っていて。またどこかで、と言いながら再び投稿する日がくると思わなかったですし、またこうしてテニミュをたのしめた喜びを綴れることに、深い感謝と喜びを感じています。

 

 この4年というか、青8が卒業して5年くらいの間に、テニミュに行ったのは数回で、あれほど8代目のバトンを受け取った次の青学を見るぞ!と気合を入れて前を向いていたのに、実際に公演にいくと心が追い付かなくて、新しい青学と出会えてうれしいよろこび以上にもう二度と会えない悲しみが深すぎて結局のところ3rdシーズンを追うことができず、完全にテニミュから離れていました。

 何が悔しいかって、きもちでは受け入れてたのに、見ていたり歌声を聞くとどうしても探してしまう・重ねてしまうのは、(当時の)今の代の青学に物凄く失礼なことで、自分がこころからテニミュを楽しめないのがすごくすごく、つらくて悔しくて悲しかった。あんなに楽しかったテニミュを楽しめないと思ったのが、すごく失礼だし、すごく悲しかった。

 でも、でもどうしても。やっぱり「ふるたくんの演じるリョーマ」を、わたしはずっとずっと幕の向こう側にさがしてしまって。(当時の)今のリョーマくんだって「越前リョーマ」なのに、それを頭でもこころでも理解しているのに、やっぱり探してしまうたびに自分自身にも悲しかった。

 自分にとってのはじめてのリョーマ、同級生のリョーマ、かっこいいリョーマ。いつだってかっこよくて、クールで、憧れていたリョーマ。強くて、指の先までうつくしくて、歌声がまっすぐに響いて、思い出すたびに「生意気だなあ」って思うのにかっこよくて仕方がなあったリョーマ。こうして思い出しているときも、あんなにかっこいいリョーマと出会えてよかったって思って涙が出てしまいそうになる、ふるたくんが演じたリョーマ

 その影をどこかに探すたびに、自分にも、バトンを繋いだリョーマくんにも、なによりふるたくんにも、全部に勝手に申し訳なくて、悲しくて、自分の気持ちがきちんと落ち着くまでと言い聞かせてテニミュから離れました。

 

 4thシーズンがはじまったときも、気付いたら3rdが終わっていて、時の流れの速さを実感した。仕事とか自分の体のことで忙しくしている間に、テニミュの季節はまた巡っていて、ふしぎだった。

 その後も公演情報が出るたびに、行くかと迷うけれどコロナ禍に職業上東京に行くことが出来ず見送っていましたが、今回同じく8代目を追っていたオタクと話している時に急に「あ、テニミュ行きたい」と数年ぶりにふと思う瞬間がありました。

 なんだか、ほんとうに急に。あ、いますごくテニミュが見たい、とあの頃の感情がほんの少しだけ芽を出したのです。

 

 それから譲渡を探したのですが、本当に全然見つからなくて、最終的にチケットがないけれどテニミュが見たくて見たくてたまらないとフォロワーに泣きついたら、そのフォロワーのフォロワーさん(以前広瀬だった時代にお世話になりました)を紹介してくださり、この度観劇することができました。チケットがなければないほど、行きたい気持ちは増していき、本当に常に譲渡を探していたので、とても助かりました。ありがとうございました。

 

 この急な「あ、テニミュ行きたい」は、自分の中でようやくテニミュと再び出会えるチャンスというか、今だったら楽しめるかもしれないという大きな期待があって。だからその勢いと気持ちの高まりのまま、観劇できたのは本当に幸運で、すごくしあわせなことでした。観たい、と思った時に観れるのが一番こころにすとんと落ちてくれるから、すごく、いいタイミングで見ることができました。HPもチェックせず、キャストの顔も見ず、ただ「あ、今だ」と思ったまま新幹線に飛び乗れたのです。

 

 場所はいつものTDCではなく、青年館で、はじめて行く場所でした。テニミュといえばTDCというイメージがあるのは、青8時代にたくさんTDCの座席に座ったからでしょう。でもこうして、新しい場所に来ることが出来るのはテニミュの良さで(わたしは山奥在住なので、こうしてテニミュがきっかけでいろんな劇場に行けることが物凄い喜びでした。)本当にたのしいな~と、うきうきと浮かれた気持ちではじめての会場に向かいました。同時に、同じ場所じゃないからこそ、「青8がいないテニミュ」を見れる切り替えになったのかもしれません。

 

 久々にきた東京は、蒸し暑くて、ああ~夏だなぁ~って、これからテニミュを観るんだと思うと余計に夏を感じて、胸がどきどきした。

 じわじわ暑くて汗がにじむのに、気持ちはとてもさわやかで、晴れやかなものだった。

 

 

 客席が暗くなり、シューズがキュッキュ、と音を立てた瞬間。なんだか懐かしさで胸がぎゅっと締め付けられるようだった。

 今回は幕がないから、席に座ってまっさきに思ったのは「ああ、もう幕の向こう側にリョーマを探さなくていいんだ」という気持ちだった。ふるたくんのリョーマが幕の向こう側にいってから、わたしはずっとどこかで、テニミュに来るたびに幕の向こう側を見つめていた。でも、ああそれがないんだなって思ったら「今日この会場で久々にテニミュを観れてよかったかもしれない」と、見る前なのに冷静に自分のこころを見つめることが出来た。

 もう、あの面影を探さずに、今度こそ、今度こそまっさらな気持ちで、越前リョーマに出会えるのかもしれない。ふるたくんの演じたリョーマをすきだという気持ちをずっと抱えたうえで、そのうえで、新しい越前リョーマを、見られるのかもしれない。そう思った。

 

 

 リョーマが舞台に立っているのを見た時。自分でも驚くほどはっきりと「あ、リョーマくんだ」と思った。

 言葉には出来ないし、はじめてみた3rd不動峰公演のようなギラギラとした稲妻じみた衝撃ではなかったけれど、たしかに、目の前に「リョーマくんがいる」と思った。稲妻ではなく、穏やかな水面のように、しずかにこころに沁みる感覚だった。

 瞬間的にリョーマではなく、「リョーマくん」と思ったのは、自分の中ではっきりと別人と(当たり前ですが)分かり切ったうえで、そのうえで「会えた」と思ったのだ。

 

 最初の1曲目で、リョーマくんの歌い出しを聞いて、なんかもう、なんか、目頭がじわじわ熱くなって、それがもう、言葉には出来ないのが悔しいくらいに、すごくいい感情だったんです。やっぱり、青学ってかっこいいチームなんだよなあって、久々に青学ジャージを見てわたしは静かに泣いていました。テニミュという大きなパワーと熱量は、わたしをすっかり青学ファンにさせて、今こうして数年越しに青学の背中を見つめられて嬉しかった。

 

 リョーマくんの歌声を聞いて、あ、リョーマくんだって。

 目の前にいるのは、越前リョーマなんだって、そう思ってすごくうれしかった。

 またわたしは、リョーマくんと出会うことが出来たんだって。それがすごく嬉しくて。

 誰かと重ねたり、無意識に比べるのではなく、ただ目の前に立つリョーマくんを「越前リョーマがいる」と頭とこころで理解できたのがすごくすごく、すごく嬉しかった。

「まだまだだね」

 その一言で、こんなにも泣けることってあるんだってくらい。この公演で一番感情が揺れ動いたのがあの一言でした。たった一言、されどそれがわたしにとっての大きな意味となって胸にじわじわと波紋が広がった。数年間の重たい感情がじわじわ溶けていくようだった。

 

 

 公演中リョーマくんに注目していたのですが、ぴょんぴょん歩いたり、喋り方がかわいくて(自分の知るリョーマくんが「本当に本当に、本当に、めちゃくちゃ生意気」な姿で、本当に褒めているのですが生意気!!!なリョーマくんだから)「等身大の中学生」を感じられてよかったです。ふるたくんが「生意気でかっこいい、王子様になる過程のリョーマ」だったのに対し、今牧くんのリョーマは「中1の少年・越前リョーマ」を物凄く強く感じて、それがすごくよかったんですよね。かわいらしさも、ちょっと生意気なところも、なんだか「原作初期のリョーマ」感というか、原作初期に感じた感情を思い出させた。物凄くよかった。ただかっこいいだけじゃなくて、クールなだけじゃなくて、後輩としてかわいい所もあるリョーマくんって感じだった。

 声もすごく、ああ、リョーマだなあって思っていて。

 わたしはアニメのリョーマくんの皆川さんの演技が物凄く好きで、長年一番好きな声優さんなのですが、そのリョーマくんの声をずっと聴いていたわたしだけど、今牧くんのリョーマの声って「リョーマくん」だなあって。何言っているか分からないけれど、この感情ってふるたくんのときも感じた思いで、テニミュってその「声」が不思議と「あ!○○だ!」ってなるからすごいですよね。(にちかくんのときも同じく思ったし、ほかのキャストさんに対しても「○○だ~!」てなるので、わたしのこの感情はうまく説明できません。文字にすると難しいね。)

 

 テニスの王子様って、歴史が長くて、原作・アニメ・ミュージカルと展開されているからたくさんの人が演じた・表現した「越前リョーマ」がいます。

 でもどの世界においても、「今目の前にいる越前リョーマ」はまちがいなく、(どの代もどのコンテンツでも)「本物の越前リョーマ」で。

 きっとどの代でも、どの世界でも、目の前にいるリョーマくんをわたしは追っかけてしまうのだろうな。そう思います。

 

 公演中も、リョーマくんを見るたびに、今までとは違う目線で追っているのに気づきました。今までは同級生目線で、トリオと一緒になって「リョーマくんかっこいい!」となっていたオタクなのですが、今回の公演では思い切り「年下のリョーマくん」として見ていて、先輩たちがリョーマくんに話しかけたりするたびに、後輩らしさを感じては思わずほほえましくなっていました。

 あとから知ったのですが、リョーマくん役の今牧くんが18歳と知って、じゅ、じゅうはち……!?と震えたので、わたしが直感した「年下のリョーマくん」というのは正しかったし、同時にふるたくんを思い出しては「同級生のリョーマ」にハマれて、同じ時代を生きれてよかったと深くかみしめました。ハマる、というより文字通り命捧げていましたが、同じ時代に追いかけられたのは物凄く幸運だったと思います。もはや年上は井上さんしかいないのかもしれない。

 そして、きっと今。このテニミュを観ているどこかに、あの頃のわたしと同じく「同級生のリョーマ」と出会う方がいらっしゃるのだろうと思うと、胸がしずかに熱くなります。自分にとって同級生のリョーマって、物凄く特別だったから、どこかにいるファンの方にとっても観劇を通して特別な体験と思い出になればいいな、と思います。

 

≫一旦公演の話に戻ります。

 

 4thを追っている友人からは「今までの曲はなく全て新曲」と聞いていたので、正直ほっとしていました。自分の中で3rd(わたしの場合、不動峰~関東氷帝までをさします)の曲って全部覚えて口ずさむくらいに大好きで、反対に言えば「思い出がありすぎる」んですよね。だからこそ、新しい曲なら、新しい青学、あたらしいルドルフ、あたらしい山吹として見れるのかなという期待もありました。

 シーズンも変わり、わたしは「あらたなテニミュ」を期待していました。

(でも、ルドルフ公演も山吹公演も思い入れがあるし、どっちの学校もだいすきなので分けてほしい気持ちは物凄くありました。)

 

 1幕目の感想としては、いい所もいっぱいあるし、ここに歌がないんですか!?みたいなきもちもあるし、わたしってこんなに黄金ペアを愛していたのか……みたいな気持ちになったりしました。

 わたし個人が感じていたテニミュの面白さって、シングルスの試合なら投げかけ(歌)に対し、対戦相手がアンサー(歌)を出すところだったり、ダブルスならペアでお互いを鼓舞したり気持ちを伝えるところ(歌には歌で返す)ところだったので、歌がなかったときには少しだけ、少しだけ、歌がほしい……と思ったりしました。歌がほしい。気持ちには気持ちで応えるように、歌には歌のアンサーを欲してしまう。

 

 なぜこう思ったのかは、キャストが物凄くいいからの一言に尽きます。

 青学は勿論ですが、聖ルドルフのメンバーすごくいいんですよ。シルエットが原作を読んでいた時の気持ちを思い出させるし、歌がかなりいい。赦してやろう、の歌詞にはひっくり返りそうになりました。あまりに好きで。そうくるか、そう聖ルドルフというチームを表現するか~!と嬉しさが強かったです。一度聴いたら耳に残るメロディもいいし、観月が言う「聖なる声」(こんな歌詞あったと思うのですが、間違いでしたらすみません。)は観月本人の指示の声ともわたしは受け取れたので、おもしろいしわくわくしました。歌詞がとにかく面白いし、テニミュにおける校歌(と呼んでいますが)はそのチーム性を強く表すので物凄く面白いし楽しい。サビの振付もすきだし、それぞれの声も好きです。

 

 赤澤・金田のダブルスにおいて、赤澤より金田が印象に残ったのも凄く良かった。

 焦りイラつく赤澤に何度も「あの、」「部長、」と声をかけては、振り払われる金田に、原作の「コマの外」を感じて物凄くよかった。そりゃあ後輩だし、普段シングルスの選手である先輩があれだけ荒々しい態度なら、言いにくいよ!声かけにくいよ!て思えるし、だからこそ「部のために」と言う勇気がより伝わる。金田の演技ひとつひとつが、困ったように、しかし懸命に赤澤に声をかける様子を見て、あの叫びはよっぽど勇気がいるものだとガンガン伝わる。叫び声もあまり大声!というわけでもなく、振り絞ったうえでの声という細さもあり、すごくいいと思いました。

 赤澤のイラついた・焦る感じも物凄くよかった。あと怒鳴り方がうますぎて、絶対こういう先輩こわいよなと思うほどに金田の演技がより光る。お互いの演技が重なり合って、余計にあのダブルスは光っていて、うまいなと思いました。

 二人の歌もよかった。だからこそ、黄金ペアだってふたりで歌ってほしかった……とわたしは思います。ダブルスの歌にはダブルスの歌で返してほしいのは単にわたし個人のワガママ感想です。

 でももし、これが青学vs聖ルドルフ公演なら、きっと黄金の歌をもっと聞けたのかと思うと悔しさがすごいです。(この感想は2幕の山吹でも全く同じことを色んな選手に対し思いますが)キャストがすごくいい、歌もすごくおもしろい、しかし盛り上がるタイミングで試合が終わってしまったときの悔しさは尋常ではないのです。すごくいい試合でした。

 

 この試合、青学黄金ペアの感想なのですが、大石の声がすごくいいです。声に落ち着きがあり、冷静さを感じるので試合運びにも説得力がすごくありました。声がすごくすきな大石です。

 菊丸は「男の子!!!」という感じで、いい意味で青8のほんだれおさんの菊丸と真逆路線というか、本当に少年らしさ全開でよかったです。

(わたしは青8黄金のバランスが本当にこころから大好きで、心配そうな顔から笑顔になるのが似合うしゅんくんの大石と、かわいさ全開でアクロバティック、ひとつひとつの動作に目を離せなかったほんだれおさんの菊丸が本当に大好きです。表情がすごくすきな黄金だったんです。表情もすきだったし、ふたりの歌声がすきだったんだよ……。)

 かわいらしさよりかっこよさが強い少年らしい菊丸と、冷静でかっこいい大石って感じでよかったです。だからこそ、黄金ペアかっこいい!て歌ほしくなってしまうんですよね。

 

 柳沢・木更津コンビは物凄く原作にシルエットを寄せていると感じました。華奢で軽やかな感じ。柳沢の喋り方がかわいいし、声もかわいい。動きもコミカルでかわいい。アヒルと言われて抗議するところもかわいいし、後ろで淳がアヒルの真似をしているところもかわいらしかった。しかしかわいいという感想だけではなく、試合中はやっぱりかっこいいし、見ていてわくわくさせるふたりでした。

 ふたりの雰囲気が良ければ良いほど、桃城・海堂ペアの雰囲気の悪さが伝わるので、その対比が面白い試合ですよね。雰囲気がピリつくほどに、相手はにやりとするのもいい。

 テニミュを観るたびに思うのですが、桃城役の方ってお顔立ちは勿論ですが雰囲気が「桃城」なのですごいですよね。動きもそうですが、やっぱりかっこいい人なんだよなと何度も思わせるパワーを持っています。先輩としてかっこいいところ全部持っている。

 海堂は声からズドンと脳みそに「海堂薫」を叩きつけてくれるので、見ていて安心感というか、耳から安心感をおぼえます。(耳から…?)

 

 vs裕太戦は、もっと、もっとこの試合熱いのに、若干薄さを感じてあれ!?となりました。この試合って、裕太の心情もそうですがリョーマくんのアンサーがかっこいい試合なので、もっと盛り上げて重厚にしてほしいと思っていたので、勿体なさを感じました。

 しかし、裕太の試合中の「弟」というワードに対して、どんどん裕太の気持ちが爆発していくのは見ていてすごく気持ちが伝わるものでした。

 今回はリョーマからのアンサーではなく、兄である不二と彼に指示を出す観月からの歌があるのですが、不二からの「僕なりの声」に対し観月が「僕だけの声」とあって、わたしには観月が必死そうに見えたのがなんだか不思議でした。この時点の観月って裕太のことを「バカ弟」呼ばわりしているし、割と自己中心的な考えかつ、原作初期における「ヤな奴」みたいな、そういう立ち位置と思っていたけれど、この歌における「僕だけの声」って別に裕太本人にではなく「一敗だって許されるもんか」の気持ちの強さからなのかな、とも思いました。負けられない観月はじめという少年がすきだからこそ、こうかな、ああかな、と考えているのですが、あの歌はあの歌で好きで(不二から裕太を思う気持ちはやっぱり兄弟ならではなので、やっぱりそれを歌にしてくれるのはすごくいいですよね。)でも一度見ただけでは自分のなかでまだ考えたりないなと思いました。他の方の感想を見たいのがこのシーンです。

 また、裕太に声援を送るノムタク。いい意味で原作通りの目立ち方なのですが、声の調子や動きがすごくいいので、ベンチ側にいると探してしまいます。リアクションがすごくいいので、今度見る時はベンチ側も見ていたいと思わせるキャラクターでした。

 

 そして不二vs観月なのですが、観月の喋り方とか所作がすごくいい。みやこの観月も大好きだし、4thの観月も大好きです。どっちも余裕さと必死さという極端の感情、そしてなにより泥臭さというか、必死になって負けて、その敗北を噛みしめる描写がすきなので、いいなあと思って見ていました。観月のソロもよかった。

 11代目の不二くん、すごく美少年感が強くて、原作不二周助ってすごい美少年でかっこいいよねという気持ちを思い出しました。

(青8不二は「かっこいい先輩」という意識で見ていました。でもあの打球音は一体……!?といつまでも話題にしてしまうのは、当時も改めて今作を見てもあの波動球クラスの打球音が脳にあり続けるからです。神里不二のvs観月すごくすきなんですよね。)

 不二の余裕さを見れば見るほど、観月が必死に左右にふられ、追い詰められていくのがよくて、改めてこの試合における不二の強さ(ただテニスが強いとかではなく、思いの強さというか)を考えさせられました。必死になって勝利を掴もうと足掻くほどに、徹底的に叩きのめされてしまうのが、やっぱり悔しくて、それを緊張した面持ちで見つめるルドルフ側もすごくよかったです。

 

 ここで一旦不動峰の話をするのですが、今回不動峰は橘・神尾・伊武の3名なのですが校歌がかっこよすぎて全員揃ったときを聞きたい!と強く思いました。橘さん、お顔も演技も強いので「九州から来ました」感がすごく強くて良かったです。神尾も動きがかわいいし、伊武はそのまま原作から来ましたって感じでよかったです。どこを見ても楽しい。

 

 話を戻し、vs観月ですが、井上さんをここで登場させるか~~~~~~と思いました。公演における「唯一の大人」なのでどう動くのか気になっていたのですが、竜崎先生のセリフをここで……!となりました。テニミュにおける監督の不在、わたしは監督に声だけでも出演してほしい(もっといえば姿がある方がいいし実際に出演してもらわないと困る場面はいくつもある)と思っているので、大人である井上さんにこの言葉を当てるのか、と複雑な心境になりました。ただこの言葉を選手の誰かが言うのではなく、大人が気付いているというのは大事だし、でもやっぱり竜崎先生!いてほしい!の葛藤があります。やっぱり監督いてほしいよ。声だけでも。

 

 さて、さわやかな曲と共に1幕おわりは亜久津の銀華カツアゲシーンが挟むので、どっちを!?どっちを見れば!?と忙しい感情がありました。気持ち的にはルドルフ戦のおわりをしんみりと味わっていたいけれど、そこに入れたか銀華の部分!とおもしろさもありました。(でもルドルフ戦を噛みしめたい自分もいます。)

 この公演、いい意味で「原作沿い公演」というか、本当に細かな部分まで「原作をなぞった公演」と感じました。話の流れといい、時間の流れかたといい。原作未読かつテニミュをまだ見たことのない人を連れてきて、感想を聞いてみたいです。

 

 亜久津ですが、お金の数え方が「亜久津だ!!!」てなったし、目つきが恐ろしいところや足が長すぎて蹴り上げるのがうまいのを見て、亜久津だ~~!てなりました。身長が大きいのも、手足が長くて目つきが鋭く恐ろしいのも、すごくよかったです。

 亜久津の体格が良くてかっこよければかっこいいほど、壇くんの「亜久津へのあこがれ」はより鮮明に描かれ、伝わるものだと思っているので、亜久津登場シーン物凄くよかったです。山吹中の制服かっこいいよね。

 

 さて、山吹戦。

 やっぱり何度見ても、カチローがかわいそうな目に合うと物凄く悲しくなるので、そこに助けに入るリョーマくんのかっこよさは計り知れません。

 今更ですがわたしは青学トリオがだいすきなので、トリオが元気に応援している姿を見ると本当に本当にうれしくなります。笑顔がいい。動きもいい。レギュラーってかっこいい!を全力で表現してくれるので、いつもいつもパワーを貰える存在です。彼らの存在があるからこそ「青学レギュラー」の重みやかっこよさは引き立つので、やっぱりトリオってすごいね。

 そんなトリオ大好きなわたしなので、亜久津が石をぶつけるシーンは本当に怖いと思うんですよね。亜久津の「ヤバさ」を初っ端から感じられるシーンだけれど、本当に怖い。すごく、誉め言葉として「怖い」と思いました。

 

 山吹校歌、めちゃくちゃ頭に残るしかっこいい。亜久津が音をかぶせるのも、合わせるのではなくかぶせるのか!とキャラクター性を感じてよかった。今日はラッキーデーの千石清純よかった……。山吹はすごくすごくいい意味で「どこを見ても楽しい」から、目が足りない!あっちも見たい!こっちも見たい!全部見たい!てわくわくしました。みんな身軽でかっこいい。壇くんのジャージのサイズ感がすごくかわいくてよかった。小さい。室町もかわいい。山吹の身長差すごくよかったし、地味’sが大きくてすらっとしていてよかった。

 

 ニトキタ戦は試合丸まる一曲になっていて、こうするか!と面白さを感じました。私事なのですが、職場にオニヤンマが怯えるほど出るので、巨大オニヤンマの小道具に「オニヤンマだ!!!」と物凄く興奮しました。謎に。普通のトンボなのかな。オニヤンマっぽい色合いだったけれど、知らない巨大トンボかもしれない……。東京ってオニヤンマいるのかな、と帰りの新幹線で調べてしまいました。いるそうです。(※オニヤンマじゃなかったらすみません)

 あの情報量の少ない試合をここまで膨らますのは面白かったし、メロディがおもしろかったんですよね。もう一度聞きたい。

 11代目のタカさん、優しさもありつつパワフルでかっこいいです。にこにこしている姿も、ラケットを持つ姿も、どっちもかっこいいし、亜久津と話すときのタカさんも好きだ。

 

 地味’s戦めちゃくちゃ面白かった。曲がおだやかで、いい意味で「地味」で(何か特徴的なメロディかと言えばそうではないのに、歌詞は残るのが面白かったです。)面白い曲が来たな~~と思いました。地味’sのすらっとしたシルエットもよかったし、確実に点を獲る堅実さがいい。かっこいい。

 黄金ペアもきらきらとかっこいいし、大石ってかっこいいな……てしみじみとさせるんですよね。菊丸のセリフがやや強めです。(熊の大五郎)

 でもここ原作で竜崎先生と伴爺のやりとりがめちゃくちゃ、物凄く好きなんですよ。

「去年の壁は自ら崩す…か」に対しての「壁は毎日高くなってますよ」の伴爺の良さ。この良さ。壁は毎日高くなっていますよ、このセリフ好きなんですよ。

 だって黄金ペアが強くなっていくように、地味’sだってもっともっと強くなっていて、更に基本のプレーを完璧に極めていくんですよね。この伴爺のセリフというか、竜崎先生とのやりとり、どうにかこうにか、どうにかこうにか、欲しいよ。欲しい~~~~!!!伴爺~……っ!

 

 vs千石ではソロもダンスもジャンプも全部よかった。4th千石、テニスを楽しんでいそうという印象が凄く強かったです。女の子に声をかけるけれど、女の子よりテニスに夢中な雰囲気がありませんか。これは個人の感想です。

 3rd千石の雰囲気もかっこよさも全部好きだったし、やっぱり演じる人によってキャラクターの側面というか深みってまたひとりひとり変わっていくのだと千石を見ていてより感じました。曲も明るく「当たるも八卦当たらぬも八卦」の8のポーズ?が可愛らしく、座右の銘だ!!!!とテンションが上がりました。

 背景でデカデカと「虎砲」と出るのもよかった。今回、乾の説明もすらすらと頭に入っていてすごくよかったなあ。乾の情報量の多い会話をすらすらと清らかな水のように言えるキャストさんは物凄いと思います。

 また、この試合は桃城が物凄くかっこよくて、すごくよかった……。同時に痙攣に対し「ハッいかんいかん」「他人の不幸を喜ぶのはいかんぞ」の千石にすきだ……てなりました。やっぱりテニスの王子様、みんなかっこいいんだよ。考え方や生き方がだいすきだ。

 竜崎先生に対する桃城、かっこよかった。かっこいい。やっぱり桃城ってかっこいい。かっこいい先輩なんだって、この試合の彼を見て更にドキっとさせられた。かっこいい、かっこいいなあ。

 

 リョーマvs亜久津戦は、亜久津の過去背景を描くのがよかった。ならなおさら、勇気vs意地級の曲でバチバチに燃え盛るリョーマと亜久津が見たかった。今公演も十分に熱いものだけど、それ以上にもっともっとと思うのはあの一曲がドラマチックでかっこよくて、記憶に深く残るものだからかもしれません。

 ただ丁寧に、丁寧すぎるぐらい丁寧に描くからこそ見えるものもあると思うし、亜久津の背景を描いたうえで意地を見せるのはやっぱりかっこいいとは思っていて。亜久津を丁寧に描けば描くほど、タカさんや壇くんの思い、山吹から見た彼をはっきりと描写できるので、それはすごくよかったです。亜久津が歌う過去回想での「立てよ、立てよ、立てよ」の叫びに似た歌がめちゃめちゃかっこよかったです。テニスのための品位、みたいな……。

 ただこのvs亜久津はわたしの中で物凄く好きな試合かつ、熱くてかっこいい試合だから、もっともっと、もっともっと、熱量を浴びたかったです。この試合におけるリョーマのかっこよさ、亜久津のかっこよさ、もっともっと、キャストさんがいいからこそ余計に思います。原作で物凄く好きな試合かつ3rdであれだけ熱量を浴びせられて、毎回感動していた試合だからこそ、4thの試合も楽しみだったのでそう思ってしまいました。

 テニミュのたのしさってなんだろうと考えると、やっぱり試合の応酬のなかで生まれる感情を乗せた歌だと思っているので、感情と感情をもっとぶつけてほしいと願ってしまいます。わがままな感想ばかり書いてごめんなさい。だけど、わたしはテニミュがすきだから、今回も改めて「たのしいな」と思うからこそ、好きな試合をもっともっとと願ってしまいます。キャストさんのかっこよさだったり演技の良さを味わえば味わうほど、そう思わずにはいられないのです。

 

 そして、この試合のリョーマくんも凄くよかった。特に1ポイントも~からの「ウ・ソ・つ・き」が良かった。今回すごく後輩らしい可愛らしさを見ていたからか、試合中のリョーマくんのかっこよさや生意気な感じがギラッとする瞬間を見ては、やっぱりリョーマくんってかっこいいよねと噛みしめていました。あんなに試合以外ではかわいらしい後輩感あるのに、試合中はギラギラするのだから、その温度差にぐっときました。すごくすてきでした。

 

 試合後の壇くんが亜久津に思いをぶつけるシーンは、見ていてこっちがうるっとしてしまうくらいよかったです。ふたりの大きな身長差や体つきの違いがあるからこそ、余計に「ボクはひっくり返ったってなれないんです!」が響きました。壇くんの悲しそうな声が本当にこころからの悲痛な声で、すごく、胸に刺さりました。泣きそう、ではなく本当に泣いてしまったのかと思うくらいの悲痛さで、物凄くよかったです。

 あんなに真剣に、そして必死な壇くんだからこそ、亜久津が可能性としてリョーマくんを指さすんだろうね。本当にいい試合でした。

 

 そしてこの状況下だからかな。余計に千石の「今日もテニスが出来てラッキー」がしみました。

 

 最後のアンコールソングは、声が出せない状況だからこそ!という感じでよかったな。青学もルドルフも不動峰もだいすきだけど、山吹のメロディがすきなので、最高~!てなりました。明るい曲が好きなのかもしれません。

 コーレスではなく、応援合戦になっていて、それも楽しかったです。みんなかっこよかった。やっぱり、テニミュって、テニスの王子様のコマの外側を見せてくれるもので、更にアンコールソングではきらきら全開な姿を見せてくれて、そこがすきなんだろうなあ。

 

 客降りでは真横をリョーマくんが小さく手を振りながらゆっくりと通って。小柄なのにやっぱり存在感がすごくて、越前リョーマっていいなあって、思いました。

 

 

 

 公演終了後に、2000回記念としてご挨拶がありました。今牧くんのお話しがふわふわしていてほほえましさを感じつつ、これからも、末永く、テニミュが続けばいいなと思いました。

 テニミュに命を救われたオタクなので(ここらへんの話は長いので割愛します)この御恩はチケットを買い続けることで本当に微力ではありますが、返すこともできていませんが、自分なりの微力で応援したいです。久々にTSCに入ろうかと思いました。

 

 ちょっと回り道をしながらだったのですが、1回目の観劇の感想をふりかえると、こ 高架下……と強い思いがあるのですが、うまく言葉に出来ないため今回は削ります。ただ、手塚の歌声が本当にすばらしく、かっこよくて、やっぱり歌がうまい=強いみたいな意識がわたしのなかには根深くあるので、本当にすてきな手塚だ!と嬉しくなりました。

 いまわたしが抱える、たのしかった気持ちと同時に生まれるモヤを、自分のなかにある感情を、うまく言葉にできない歯がゆさ。久々に味わいました。

 

 

 久々に日記を書いたことへの振り返りなのですが、驚くほどに言葉が出ない=つまる場面が何度もありました。元々文字を書くことに対し、すきではあるけれど難しいと感じていたので、こうして時間をあけてしまうと驚くほどに言葉が出ず日記を書くのに時間がかかってしまいました。自分の伝えたい思いや、その時の感情にぴったりな言葉を選ぶって、むずかしいですね。あの時だって歯がゆかったけれど、今回ももっともっといい言葉がどこかにあるんだろうなあ、と思いながら自分の言葉で書きました。それでも、あの時テニミュではじめてブログを書いたときのように、またテニミュがわたしに文字をかくパワーを与えてくれました。本当にたのしかったです。

 次の観劇はフォロワーさんからチケットをお譲りいただき、凱旋の予定です。パワーアップした彼らを見ること、こころから楽しみにしています。

 

 

追記

 

 感染状況が広がれば広がるほど、いまはどの演劇も公演中止でたくさんの人が悔しさやお辛い思いをされていると思います。猛威を振るう現状に、悲しい気持ちです。そしてなにより、お早い回復を願っています。

 怪我無く病気なく走り抜けるのは、本当にむずかしいことだと今この世の中を見ていると痛感します。健康や安全を第一に、無事に駆け抜けられますように。1ファンとしてこころから願っています。